「さよなら」も言わずに。
『俺居ねぇよ!つか、出来ねぇ』

居ないってのに、少しホッとした自分。

少し変なのかな…?

すごく、すごく、安心した気がしたの。

「居るんだと思ってた!
先輩、すごいカッコイイもん。」

何か…

友達でも何でもないのに、得意な気分になった。

気軽に話せている自分が、

少しだけ好きになった。

『俺カッコよくねぇし!』

「カッコイイって!
私の友達も騒いでるよ?」

『マジで?(笑)』

「うん!」

とっくに、別れる本屋さんの交差点なのに

その交差点でずっと立ち止まって話してた。

『そんな珍しい奴も居るんだな(笑)』

「私もカッコイイって思ってるし!!!」

何だか不思議な感じだった。

今まで全然喋ってなかったのに、普通に

喋ることが出来ている。

すごく不思議だった。
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