「さよなら」も言わずに。
一緒に帰れたこと。

2人で話が出来たこと。

愛想よく接してくれたこと。

私を“雷霧”って呼んでくれたこと。

先輩と尚人って呼べたこと。

全てが…

本当に嬉しくて。

家に帰ってから、クッションをギュッと抱きしめて

尚人のことばっかり考えた。

顔が熱くなって

少しだけ恥ずかしくもなってきて

クッションに顔を押し付けた。

恋してんのかな…、私。

照れくさくなってきた。

何だか、無償に尚人に会いたくなった。

私ね?

尚人と話してる間、すごく温かい気持ちになれたの。

何かに包まれているような…。

そんな感じ。

幸せで、のん気に笑っている私が

居た気がする。
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