「さよなら」も言わずに。
でも…。

でも、そんなことを思っていられるのは

今だけ。

今、この瞬間だけだった。

悪夢は、私の携帯が鳴ったときから始まった。

自分の部屋で、パソコンの電源を入れたとき

流行っていた私の大好きなアーティストの曲が

私の携帯から流れた。

サブディスプレイを見ると、『愛』の文字。

愛からのメール。

何にも思わず、普通にメールを開く。

見た瞬間、自分の目を疑った。

『雷霧さぁ?マジ、死んじゃえ』

「え…?」

一瞬、時が止まった。
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