「さよなら」も言わずに。
『愛?何言ってんの???』

『坂木先輩と今日も一緒に帰ったでしょ?
しかも2人で。マジ最悪』

あぁ…。

いつもの嫉妬か。

少しだけ安心した。

愛のメールが、嫉妬からのものだった分かったから。

『あれは、たまたまだし。
私、悪気があるわけじゃないよ?
それに、愛も先輩を帰りたいのなら、
先輩に言えばいいじゃん!!!』

私も少しキレていた。

私に嫉妬するだけで、愛は結局

何もしないままなんだもん。

行動しないで、人に八つ当たりするのって

絶対可笑しいと思った。

『はぁ?雷霧分かってないし。。。
言えないから悩んでんでしょ?』

また私に八つ当たり。

言えないのなら、私に当んないでよ…。

ブチギレたい思いを必死で抑えながらメールを送り返す。

『てか、愛はさ。
結局カッコよければ、誰でもいいんじゃん。』

愛は何も知らないんだもん。

先輩のこと。

先輩が、どんな顔で笑うか知ってる?

先輩の字が、すごく大人っぽい癖字なの知ってる?

結局、愛が好きになったのは

先輩の顔だけ…。
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