「さよなら」も言わずに。
「尚人ぉ…。もうヤダぁ。」

呟いた愚痴。

ちょっとした、心の叫び。

愛の嫉妬のこと。

強がってたけど、イヤだって思ってたんだね。

『ん?どうした??』

「ん…、尚人の取り合い。
友達に嫉妬されちゃってさぁ…。」

『俺の取り合い?』

取り合いってほどじゃないんだけど…。

ただ嫉妬されてるだけなんだけど…。

「うん。私と尚人が最近一緒に帰ってるから
思いっきり嫉妬されてるのぉ…。」

『俺の取り合いなんかすんなよ(笑)』

その言葉を書いて私に紙を見せた時の尚人。

すごく愛しく思えた。

何だか可愛かったんだ。

胸がキュンって鳴いた。

「ん…。」

『何か友達言ってたら、
俺助けてやっから!!!』

「助けてやる。」この言葉に、

すごく励まされた気がした。

すごく安心出来た気がした。
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