「さよなら」も言わずに。
午後7時。

尚人に送られて家に帰った。

「また明日ねぇ!」

手を振ると、尚人は笑顔で私の頭を

ヨシヨシって撫でた。

フッて笑った尚人。

「あ!今、尚人…。
私のこと幼く見たでしょ?!」

即座に頷いた尚人。

やっと気づいた…。

私、尚人のこと好きだ。

すごく、すごく好きだ。

絡み合っていた手を、ほどいた時に

少しだけ…。

ほんの少しだけ、切なさを感じた。

そんな切なさを紛らわすかのように、

笑顔でバイバイした。

寝るまで。

寝てからもかな?

頭の中は、尚人でいっぱいだった。
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