「さよなら」も言わずに。
紙をペンが今日は無くて

私の話すことを一方的に聞いている尚人。

ずっと笑顔で聞いてるの。

でも…

でも、私が話す言葉ひとつひとつに対して

表情が少しだけ違った。

気づけばよかったのにね…。

この時に。

ずっと尚人は、私の口元を目で見つめてたってこと。

喋ってたから、学校に到着するのが

すごく早く感じた。

「じゃ、尚人。また後でね!!!」

手を振ると、さっきとは…

昨日とは違う笑顔を私に見せてくれた。

教室の中に入っていくと、

私の幸せが一発で消えていった。

目の前が、真っ暗になった気がした。
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