「さよなら」も言わずに。
浩介は、クラスの色んな子に囲まれて

質問攻め。

「何回したぁ?」

「やけに仲良いの、
こういうことだったんだな。」

浩介は、下を向いたまま。

騒動が少しだけ治まった。

私は浩介のもとへ行き、誤解を解こうとした。

「浩介…、これ違うから。
ごめんね。私…、何が何だか分かんなくて…。
浩介にまで迷惑かけちゃったよね…。」

ただただ必死だった。

私が浩介と話していることで、

ざわざわしている人が居た。

そんなの、何とも思わなかった。

…思えなかったんだ。

でも、そんな私の思いとは裏腹に

浩介は私をスルーして何処かへ行ってしまった。

すごく、すごく苦しい。

愛の小さな嫉妬が、こんな大事になるなんてね…。

考えもしてなかったよ。

親友だって思ってた浩介。

クラスのみんなからの信用。

全てをいっきに失った。
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