「さよなら」も言わずに。
学校が終わり、

すぐにカバンを片付けた。

早く、この教室を出たかったんだ。

独りになりたかった。

「今から、先輩とセックスですかぁ?
ヤリマンちゃんは大変ですねぇ。」

ひやかす友達。

愛と仲がいい、クラスの中心みたいな存在の子。

反応なんかしたくなくて。

そのまま無視して、教室を出た。

すれ違う、同学年の子が私を見てコソコソ何か言っている。

胸が痛んだ。

すごく悔しくて、

寂しくて、

苦しくて、

孤独でいっぱいだった。

尚人と一緒に帰る約束をしてたけど、

私は1人で家に帰った。

尚人と居るのが、怖いって思った自分が

そこに居た。

尚人は何も悪くないのに…。

尚人と一緒に居るところを見られたら…

って言う不安があった。
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