「さよなら」も言わずに。
『雷霧。俺ん家に泊まりに来いよ!』

“一緒に居たい”

そう言ってくれたような気がした…。

胸が熱くなって

孤独が速くなった。

『うん!』

笑顔でそう答えると、

私の頭をヨシヨシと撫でてくれた。

親指で涙を拭いて、私の顔を見て

笑う尚人。

『お母さんに言って来い!』

最後についていたビックリマーク。

“早く戻って来い”

って付け足してるようにも思えてきて、

1人で嬉しくなってニヤける私。

「うん。言って来るね!」

さっきとは違う尚人の笑顔を見て、

1階へと下りた。

リビングに居るお母さんに呼びかける。

「お母さん。」

「ん?」

「今日、友達の家泊まりに行ってもいい?」

「あぁ…、いいよ。
迷惑かけちゃダメだからね。」

自由な私の家庭。

すごく気楽な思いが出来る。

「はぁい。」

軽く返事をして、2階へ上がった。
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