「さよなら」も言わずに。
尚人の家のすぐ近くで

私のよく行き慣れたローソン。

今日は、知り合いのお兄さんが働いてる日。

自動ドアをくぐると、

レジにお兄さんの姿が見えた。

「いらっしゃいませー。
…おっ!今日は、彼氏連れかぁ。」

「うん!!!
相変わらず、弘人イケてるねぇ。」

弘人[ヒロト]は、私のお兄ちゃんの学校の先輩。

何となく貴が合うから、よく喋ってる感じ。

実のお兄ちゃんよりも、お兄ちゃんっぽい。

「だろ?!
俺いつもカッケェんだよな、うん。」

「うわ!!!
ナルシだ、ナルシィ!!!
自分大好き人間弘人ぉ。」

2人でいつもみたいに喋っていると、

尚人がムスッとした顔をした。

あ…

妬いてるな、って分かったから

尚人の手を握って

「じゃ、弘人行くね!」

2人で買い物開始。

お菓子とか、飲み物とか

たくさん買って家に帰った。

『なぁ、雷霧。
あのコンビニの人知り合いなん?』

尚人の部屋のソファーに座った時、

携帯画面にそう打ち込み、見せてきた。

「知り合いっていうか…。
お兄ちゃんの先輩で、仲良くしてくれてる人?みたいな。」

『へぇ…。そっか』

「尚人、もしかして
嫉妬したぁ?」

からかい半分で聞いたこと。

『ちげぇし!!!
自惚れんな、バカ。』

照れ隠しの様なその言葉に、

尚人の可愛さを見つけた。
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