「さよなら」も言わずに。
チャイムが鳴ると同時に、

教室の中に入る。

「愛、また先輩狙ってんの?」

「みたい。浩介、どう思う???」

学活の時間。

私達は、障害者についての勉強中。

私は、全然興味が無かったから

隣の席の浩介とまたずっとお喋り。

「先輩と付き合うとかまず無理だしな。
あいつの場合、面食いなだけじゃん。」

そうだ…。

愛は面食いなだけ。

顔しか見てない。

顔がよければ、性格はどうでもいいってタイプだもん。

「うん…、まぁ。」

「だからさ、誰を付き合ってもあいつは
捨てられるタイプだろうな。」

“捨てられるタイプ”

そうだ!って言うと失礼なんだけど…

実際、そうなのかもしれない。

付き合ってても、それ以上にカッコイイ人が現れると

騒いでるもん…、愛。
< 6 / 57 >

この作品をシェア

pagetop