素直になれば
「4番は…石野龍くんよ。」

「へえ~…紗菜の好きな人は…」

そう言いながらにやける里奈を
あたしはどうにもできなかった。

「えっ!紗菜ちゃん龍くんのファン?!」

そう声をかけてきたのは、
同じ地区のお母さん。

「えっ違う…事はないですけど…。」

訳の分からない返事を返すと
お母さん方に大声で

「紗菜ちゃん、龍くんのファンだって~っ」

と叫びだした。すると一斉にあたしの方に
皆の目線が集まった。

「コッチで2人とも見においで。」

里奈とあたしに、よく試合が見える席を
用意してくれた。

すると前にいるお母さんに、ニコっとされた。
えっって顔をして頭を下げると…

「この人、龍くんのお母さんよ。」

近くにいたお母さんに言われた。
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