素直になれば
「やっぱりミニほうきにしよーっと。」

近くにいたもう1人の男子が
折れかけのほうきを返しに行き、
ミニほうきをとっていくのが見えた。

あたしは黙々と掃除。

すると、何故か後ろに人が立つ気配がした。

「コレ…涼使わん言よるから。」

そう言って、龍くんに
長いほうきを渡された。

でもコレさっき、涼って人
掃除用具いれに返してたよね?

そう思ったが、軽く頭を下げ
ほうきをもらった。

ふと気付くと、あたしがもらったほうきは
キレイなほうきだ。

龍くんの方を見ると、さっき涼って人が
使っていた、今にも折れそうなほうき。

何かさりげない優しさに
少しずつ惹かれていった。
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