先生×生徒 ~沢山の壁を乗り越えて~






そう言いながらその女性はリビングや玄関、寝室にある結婚式や披露宴の写真立て、一途や3人で撮った写真立てを落とし始めた。



「やめて!!キャー」


私はそれしか言えなくて、頭が混乱していた。一途も泣き出して女性は暴れることを止めなかった。


一つの写真立てが落ちた瞬間、火の付いた様な一途の鳴き声が聞こえた。

一途を見ると、右の額から血が出ていて、横には木の写真立てが落ちていた。



「いやぁ――――」



そう叫んだ瞬間、玄関から物音がして真ちゃんが来た。


「おい!!お前なにしてるんだよ!!」


「この女さえいなければ私は真悟と一緒に居れたのに。」


「それは違う。瑠香が居なくても離婚してた。お前と話す事はない。出ていけ!!」


そう言うと真ちゃんは女性の頬を平手打ちした。


「出ていけ。これ以上なにかしたら通報する」



聞いた事も無いような低い声と見たこともないような相手を睨み付けている目だった。





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