先生×生徒 ~沢山の壁を乗り越えて~
今思えば、瑠香にきちんと話せば良かっただけなのに、俺は自分の事しか考えずに逃げてばかりいた。
瑠香が寝てそうな夜中に家帰っても、瑠香は眠たそうな顔をしながら起きていた。
家に帰ると一途が泣いていた。
俺は少しだけ寝室の前で聞いていたら会話が聞こえてきた。
『ままぁ…ぱぱは、かじゅくんが ちらぃ?』
『そんなことないよ!!』
『ぱぱは怪獣ごっこと おあなししてくぇないの?』
『ぱぱはね、かずくんの為にいつもお仕事頑張ってくれてるの。もう少し頑張ったら早く家に帰ってきて、かずくんと怪獣ごっこしてくれるから。』
『かじゅくん ぱぱだぁちゅき。』
『ままも ぱぱだいすき!!一途も千愛もだいすき!!』
俺はなんて最悪な人間なんだろう…。もう2週間で2歳になる一途。
そんな小さな子に重い荷物を背負わせてる俺は最低最悪の親失格。
一途に話しかけられても、きちんと返事をせずに上の空だった。
遊んでやることも千愛を抱くこともなかった。
3人が出ていったのは次の日だった。