先生×生徒 ~沢山の壁を乗り越えて~
『え…!?』
『おめでとうございます。奥さんには目が覚めてからお話します。旦那さんからも、私が話す前に話してあげてください。』
『はい!!ありがとうございます。』
『はい、それなら病室は東棟5階の530号室です。個室ですので。』
俺は一途を抱いて先生に言われた通りに530号室に向かった。
ドアを開けると、瑠香は意識が戻っていた。
『瑠香!!大丈夫か!?』
『真ちゃん…。ごめんなさい。』
『瑠香が無事ならそれでいいんだ。』
『うん。一途寝ちゃったの!?』
俺は一途を抱いたままパイプ椅子に座った。
『一途も、もうすぐ3歳なんだな…。』
『うん…。』
『分娩室で初めて抱いた時、体重じゃなくて命の重さがズッシリ来た。今は体重も命の重さもズッシリくる。
泣く事しか出来なかった一途が歩けるようになって喋って…。成長って早いな。』
『あっという間に一途も千愛も大人になるんだろうね…。』
『うん。今日はな、瑠香に大事な話がある。』
『なに…!?』