モデルの秘密~ショウタイ~
【お父様side】


ついにこの時が来たか…

初菜がモデルになりたいと来た時から、こうなる日が来るとわかっていた。

まだ初菜が生まれたばかりの頃…
公に初菜が生まれたことを伝えないことに決めた。

絶対に、初菜を危険な目に遭わせないようにすると。



「桜と決めたんだ。
小さな、初菜を見ながら…」



小学校から、初菜を静岡の山奥の学校に通わせた。
静岡は仕事で行ったときに、いい所だと知った。


何事もなく生活していたのに、もう少しで卒業になる初菜がモデルをやり出した。

拓夢の仕事を見てやりたくなったのは、分かる。
でも、俺は許せなかった。


そんな俺に、初菜がやりたいことを応援するのが親の役目でしょ?
そう桜に言われた。


それから初菜は中学生になり、東京で暮らすようになったが…
静岡に住んでいた時よりも、気を張るようにしていた。

東京の方が安全ではないから、山奥の静岡なら手元に居なくてもまだ安心できていたのに…

自分が初菜を守れなかったのが悔しい。
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