愛の道は生きる道
ヘアメイクの仕事でも、ヘアメイクのアシスタントの仕事でもない。

要は、何でも屋。

何でもしないと、生きていけないって事。


仕事なんて、まだ選べないんだ。



ミーヤとフクちゃんのヘアメイクをしたことも、光のライブツアーに参加したことも、夢だったんじゃないかと思えるほど。

わたしの生活は、前と変わらないんだ。



「愛名、まだなの?」
「すいません」

とんだ災難とはこのことだ。

シフォンのワンピはハンガーにかかっていなくて、たたんだ状態で搬入されていたため、シワがかなりよっていた。

参ったなあ…。

先輩とカメラマンは、しばし談笑。

わたしは商品を傷つけないように、必死でアイロンのスチームを当てる。


「でっきましたぁ」
アイロンの暑さと、冷や汗で体中が汗でびっしょり。



< 110 / 247 >

この作品をシェア

pagetop