愛の道は生きる道
17.星のない夜に
「もしもし、今池です」
仕事のくせが抜けないわたしは、いつも電話に出ると自分の名前を名乗ってしまう。
「ちーっす。福太です。ミュージカル終わった?」
電話の向こうからは、元気なフクちゃんの声。
「うん。ちょうど今終わった…って、なんでわたしがミュージカル観に来てるって知ってんの?」
ちょっと大きな声になり、手で自分の口をふさぐ。
「ミーヤに聞いてたから」
…そうなのか。
ちょっとびっくりしたよ、全く。
とっさに、周囲にフクちゃんの声が聞こえないように、ずっと口元を押さえながら会話をする。
だって、ばれたらやばいじゃん。
「じゃ、飯食い行かない?今から新宿来れる?俺も今ちょうど仕事終わったから」
「えっ?!わたし、今から、電車に乗って帰るところなんだけど…」
改札に向かっていた足が止まる。
仕事のくせが抜けないわたしは、いつも電話に出ると自分の名前を名乗ってしまう。
「ちーっす。福太です。ミュージカル終わった?」
電話の向こうからは、元気なフクちゃんの声。
「うん。ちょうど今終わった…って、なんでわたしがミュージカル観に来てるって知ってんの?」
ちょっと大きな声になり、手で自分の口をふさぐ。
「ミーヤに聞いてたから」
…そうなのか。
ちょっとびっくりしたよ、全く。
とっさに、周囲にフクちゃんの声が聞こえないように、ずっと口元を押さえながら会話をする。
だって、ばれたらやばいじゃん。
「じゃ、飯食い行かない?今から新宿来れる?俺も今ちょうど仕事終わったから」
「えっ?!わたし、今から、電車に乗って帰るところなんだけど…」
改札に向かっていた足が止まる。