愛の道は生きる道
フクちゃんに会うまで、もしかしてサンライズの植田福太ってばれちゃったら、騒動かなーなんて思ったけど、絶対バレないわ・・・。



駅の改札を抜けて、一気に真っ暗な空が広がる。

キャッチの人?
ホストの呼み込み?
化粧バリッバリの高校生?
たくさんの見たことのないような人たちがあふれている。

都会って、やっぱり怖いんだなって田舎者のわたしは、足取りが遅くなる。


「愛名さん」
「あっ、はい」

フクちゃんとの距離が開き、急いで走り出す。
たったそれだけの距離なのに、人とぶつかり、フクちゃんとはぐれそうになる。


「大丈夫?」
「うん」

「服、つかんでもいいよ」
小さい声でフクちゃんが何か言った。


「えっ?フクチャンデモイイヨって?」
「・・・違うって!」

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