愛の道は生きる道
わたしが聞き返すと、フクちゃんは怒ったようにわたしの手首をつかみ、歩き出した。

なっ、何怒ってんの?

フクちゃんの足取りはさっきよりも、どんどん速くなる。
手首をつかまれ、わたしはまるで連れ去られる少女のようだ…。



「ごめん」
しばらくして、フクちゃんはわたしの手首を話し、立ち止まった。

「あの辺、変なやつら多いから」
それでだけ言って、また歩き出す。

そうだったんだ。
心配してくれたんだね。


「フクちゃんって優しいんだね。イメージ通りじゃん」
わたしは後ろから、ちゃかすように声をかけた。

「イメージで判断すんなよ。オレはオレなの」
むっとしたようなフクちゃんの声が返ってきた。

「…ごめんなさい」


なんだか気まずい雰囲気を作ってしまい、わたしもそれ以上話かけることができずに、二人とも無言のまま歩いていた。


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