愛の道は生きる道
「違うの。ファンじゃなくて、本気に好きなんだよ。光のことが好きで、ヘアメイクの世界に入ったの。本当に“好き”なの」


…うまく、伝わるかな。

「ファン」じゃないんだ…。


普通に、みんなが好きな人を愛するように、わたしは光を愛しているんだ。

たとえ、それが、手の届かない芸能人であっても。


わたしは祈るような思いでフクちゃんの顔を見た。



「んー。ファンじゃないとか、本気とかよくわかんねーけど。いいんじゃね」

フクちゃんはわたしとは違う方向を見ている。


「どんな想いだろうが、自分のことを思ってくれて、それで仕事まで選んでくれて、そこまで思ってくれるなんて、うれしいよ。俺ならね」


「…うん」


わたしはほっとした。

でも、フクちゃんは、こう続けたんだ。

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