愛の道は生きる道
常に7、8本のピンを指に挟み、お釈迦様のように手を動かし、先輩をフォローする。

しかもピンをぐいっとひらいた状態で指にはさんでいるのだから、当然痛い。

簡単のようで難しいアシスタントだ。



・・・わたし、
堀田先輩のアシじゃなくてよかった。



堀田先輩はテクノアートでも一番の厳しい先輩。

わたしたちアシスタントに容赦なく厳しい言葉や態度をあびせ、みんなから恐れられている。

しかし、その技たるもの、目を見張るものがあり、実力と怖さが兼ね備わっているから、何も言えない。



「愛ちゃん、スモピンが欲しいんだけど」

「はいっ、すみません」

わたしは急いでスモールピンを指に挟み、先輩に差し出す。


うわー、これが堀田先輩だったら、受け取ってもらえなかったなあ・・・。


今回付いた先輩が優しい先輩でほっとする。




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