愛の道は生きる道
光。
また、一歩、あなたに近づいたよ。

アパートの壁に貼ってある光のポスターは、なんだか微笑んでいるように見えた。

「そんなわけ、ないか」


独りで仕事をするということは、ギャラもあがるってことで。

今月はアパートの家賃を払うのに精一杯だったけど、来月は何とかなるかな。

貧乏アシスタントは常に貧困との戦いなのだ。


そう思うと、あんな素敵なマンションに暮らせているミーヤは、こんな心配はしなくていいんだと思うと、うらやましくなる。

人をうらやんでも仕方ないんだけど・・・。


「あっ、フクちゃんにもメールしとこ」


携帯を手にした時、事務所から電話がかかってきた。

「ひゃっ、びっくりした…」

慌てて受話ボタンを押す。

< 168 / 247 >

この作品をシェア

pagetop