愛の道は生きる道
「カーラー」

「はい」

先輩にカーラーと言われ、わたしは温まった(ちょっと熱いんだよね)太さの違うカーラーを3本差し出した。


「この量なら、これでしょ」

「はい」

「3本出してくれたのは、いいと思うけど。この毛量ならどの太さを使うか、考えて出してくれると、もっといいね」

「はいっ!」


先輩は優しく指導してくれる。


アシスタントといえども、先輩と同じように考え、へアセットをイメージしなくてはいけないんだな。


うん、勉強になったぞぉ。


そして、急いでカーラーピンを取りやすい位置と角度で差し出す。


相手の欲していることを察する。

これがアシスタント、そしてヘアメイクにとって大事なことだと、ようやく分かるようになってきた。



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