愛の道は生きる道
「じゃ、いってきます」

部屋の鍵を閉め、キャリーカートを肩に背負う。


よいしょ、よいしょ。

階段を慎重に降り、ゴロゴロとカートを引きずって行く。

そして、わたしの一日が始まるんだ。


今日の仕事は広告撮影のヘアメイク。スタイリストの先輩と組んでの仕事。

広告のモデルは、あくまでもナチュラルメイク。

けれど、短時間に何点も撮影するから、ヘアチェンジのスピードを要求される。


わたしの一番苦手とするスピード。

そして何回もあるヘアチェンジ。

想像力と技術を兼ね備えてないとクリアできない仕事。


はあー、がんばらないと。


これをものにすれば、ワンランク仕事のレベルが上がって、ヘアメイクとして成功への一歩を進めるんだから。


がんばれ!愛名!

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