愛の道は生きる道
第1章

1.イバラの道もなんのその

「店長。・・・明日休ませてください」

コ、コワイ。店長の顔を見ることができない。


大型スーパーの一角に入っているパン屋さん。
これがわたしのバイト先。

今日の勤務が終わって、わたしはエプロンを取る前に、店長の元へ行った。



店長、怒ってるよな…。

そりゃ、そうだ。
だって、今は午後6時。
あと2時間で閉店時刻だ。

そしてわたしがしているのは、明日のバイトのドタキャン報告。


「愛名ちゃん、また…。…困るなぁ」

店長はパンの生地をこねたまま、わたしの顔を見向きもしない。


「そんなにバイト急に休んでもらわれると、ウチとしても困るんだけど」

それは、ごもっともです。
店長の言うとおりです。

悪いのはわたしです。
今日で何回目がわからないくらい、ドタキャンしてます。




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