愛の道は生きる道
「フクちゃんさ、デビューできなくって、事務所やめて実家に戻るって言ってたの・・・わたし、何もしてあげられないんだけど。心配ばっかりしちゃって。どうしていいか、わかんなくて」

「そっか、びっくりしたね」

ミーヤの方が年下なのに、いつもミーヤを頼りにしてしまう。



「愛名が悩むことはないと思うよ。福太が自分で決めたんだから」
「うん」

意外にもミーヤの声が冷静で、わたしは不思議だった。



「でも、辞めちゃわなくても、他にも道があるんじゃないかって」

「福太は辞めるんじゃなくて、続けさせてもらえないんだと思うよ。冷たい言い方だけどね」

それって、クビってこと?
フクちゃんの意思じゃなく。



「ミーヤ、冷静だね」

思わず、口から出てしまった。

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