愛の道は生きる道
「確かに今日の服装には合ってるけど、モデルの顔には全然似合ってない。こんな寂しい顔立ちの人に、前髪も全部上げて、顔を前面に出すなんて、あり得ない」

あり・・得ない・・・。


それだけいうと堀田先輩は口を閉ざした。


メイクのこともヘアのことも何も言ってくれなかったんだ。

注意をする以前の問題ってこと?!


思わず、サロンの空気が凍りつく。



「そうね、もう少しモデルさんの全体的なバランスを見てヘアメイクをするものね」

藤ヶ丘さんも、たった一言。



そして、次の子の批評に行ってしまった。


そんな・・・。

わたし、うまくいったと思ったのに。

瞳から涙がこぼれそうになる。
でも、わたしは必死で涙が出そうになるのを堪えた。

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