愛の道は生きる道
気持ちを切り替えて、わたしはリハから帰ってくるダンサーさんを迎える準備にとりかかる。

今日のわたしの仕事は、いかにダンサーさんが気持ちよく仕事ができるようにするか。それがアシスタントの仕事なんだ。



まずは、一人一人の使っていた鏡をタオルで拭く。

意外と汚れているのに、みんな気が付かないの。

こんな薄汚れた鏡じゃ、みんなの素敵な姿を写してくれないよ。



そして、机の上に散乱する使用済みのティッシュや綿棒などをゴミ箱の中へ捨てる。

飛ぶ鳥跡を濁さずって言うじゃない。

ぜんぜん濁ってますよー。



そうこうしているうちに、リハが終わったようで、一人、また一人とダンサーさんが帰ってきた。


「おつかれさまです」

わたしは元気のよい声でみんなを迎えた。

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