愛の道は生きる道
暗い気持ちでダンサー控え室に戻ると、ミーヤさんが駆け寄ってくる。

「愛名さん、どこ行ってたの?ねえ、明日は早く来るから、違うヘアスタイルもしてくれますか」

「はい、もちろん」

「よかったぁ」

ミーヤさんの笑顔に癒される。


わたしは、誰でもいいわけじゃない。
ここに、わたしを必要としてくれている人がいるんだから。


ミーヤさんの笑顔にわたしは気持ちを入れ替えた。



本当は光に会いたい。

ステージで輝いている光に会いたい。

でも、ヘアメイクさんになるって決めたその日から、わたしの道は続いているんだ。

光と同じ側の立場に立つって。

それが私の生きる道。


たとえ、いま、光に会えなくても・・・。


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