愛の道は生きる道
「フクちゃ、いや、植田さんが、どうしてここに?」

「昨日ミーヤがやってたみたいな頭、俺もしてもらおうと思って」


ようやく自分をわかってもらって安心したのか、フクちゃんは扉を閉め、ズカズカと控え室の中に入ってきた。


ちょっと、待ってよ。



「あの、わたしはダンサーさんのアシスタントなので、タレントさんを触ることはできません」

丁重にお断りをする。

勝手に人の頭に障ったりしたら、サンライズ担当のヘアメイクさんに怒られてしまう。



「だって、俺たちヘアメイクさん付いてないんですよ。だから、ダンサーさんがいない時間ならいいかと思って、早く来たのに」

えっ。

未デビューのサンライズにはアシスタントも付いてないのか…。
過酷な世界なんだね。


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