正反対恋愛【完結】
「……本当にごめん!」


チョコを踏んでしまった男の子は腰を90度に折って何度も頭を下げる。


「……ううん。もういいよ」



頭を下げられれば下げられるほど惨めな気持ちになってしまう。


派手に転んだ上にチョコを踏まれた運の悪い自分が嫌になる。


「……っ……」



唇を噛みしめ、今にも溢れだしそうになる涙をぐっと堪える。


何であたしはいつもどんくさいんだろう。


自分の不器用さと運のなさにほとほと呆れ返る。

< 10 / 365 >

この作品をシェア

pagetop