正反対恋愛【完結】
「ありがとう」


冷えた缶ジュースを銀から受け取ると、銀は一度公園内をぐるっと見渡した後こう言った。


「佐奈はここの公園来たことある?」


薄暗くなった公園内には子供たちの姿はまばらで。


でも、昼間にはこの公園でたくさんの子供たちが遊んでいる姿が目に浮かんだ。


シーソー、すべり台、ブランコ、砂場、鉄棒。


少し古ぼけている、どこにでもある小さな公園。



「……ないと思う。でも、何でかな?少し懐かしい気がする。銀はこの公園にきたことあるの?」


「あるよ。何度も……」


「そうなんだ。銀の家ってここから近かったっけ?」


確か銀の家は駅の近くだったはず。


この公園から駅までは、結構な距離がある。
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