正反対恋愛【完結】
「幼稚園の時、親に連れられてこの公園に遊びに来たんだ。その時、捨てられてる猫を抱き締めて泣いてた女の子に一目惚れした……」


「もしかして……その女の子に会うために、何度もこの公園に?」


「あぁ。でも結局その後、その女の子と会える事はなかったけど」


銀はそう言うと、少し寂しそうに俯いた。


「まだ、その子の事……好きなの?」


違うって言って欲しい。


もう好きじゃない、そう言って欲しい。


でも、銀の表情を見ていればそんなの分かり切っていることだった。


「まだ好き……」


その言葉を聞いた瞬間、鼻の奥がツンっと痛んであたしは唇を噛み締めた。


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