正反対恋愛【完結】
でも、廊下にいると見たくもない光景に遭遇してしまうことがある。


その度にあたしの胸は悲鳴を上げる。


「銀先輩、辞書貸してもらえませんかぁ?」


「お前また?忘れ物多すぎだろ?」


銀の横でニコニコと笑う新入生。


あれから彼女の名前を知った。


篠崎レイラ。


あたしがその名前だったら、間違いなく名前負けしてしまう気がする。


「もう忘れんなよ?」


ブツブツと文句を言いながらも、レイラちゃんに辞書を手渡す銀を見て胸がギュッと締め付けられた。
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