正反対恋愛【完結】
でも人間には限界というものがあって。


ヤバい……もうキツイ。


わき腹痛いよ……。


息が苦しい……。


14周過ぎたあたりで、あたしは失速し始めた。


早い生徒はすでにゴール地点に辿り着き、余裕そうに走っている生徒達にエールを送っていた。


勿論足の速い真理子はとっくにゴールしている。


「佐奈!上!!上!!」


でも、真理子は何故かあたしに声援を送っているわけではなく何かを必死に訴えている。


「……ハァ……ハァ……上?」


上に何があるんだろう?


気になるけど、今のあたしにはまわりを見る余裕はない。

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