正反対恋愛【完結】
「別に速くない。やりたい奴いなくて無理矢理押しつけられた感じ」


「リレーかぁ……。あたしリレーなんて一度も出たことないよ。それにリレーって一人がミスするとダメだし……。絶対無理だなぁ」


「確かにそうだよな。でも、佐奈の二人三脚楽しみなんだけど」


「あたしは全然楽しみじゃないよ。転んだら真理子に迷惑かけるし……」


小学校の時50m走で派手に転んだ淡い過去を思い出し顔を歪める。


「転んだら俺が助けにいくって」


そう言って銀はフッと微笑んだ。


その言葉が嬉しくて。


転んでも銀が助けに来てくれるなら……


それはそれでありかな。


「頼りにしてます」


あたしがニコッと笑うと、「頼りにしてください」銀はあたしに負けないくらいの笑顔でそう答えた。





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