正反対恋愛【完結】
第十一章 体育祭
体育祭当日。
あたしはずっと深い溜息ばかりついていた。
「ハァ……」
「何でそんなに暗いのよ?」
開会式を終えた頃には胃がキリキリと痛みだし、溜息の数も多くなる。
そんなあたしを見て真理子は「元気出しなさい」そう言ってあたしの肩をポンポンっと叩いた。
『絶対に優勝するぞ!』
そう意気込んでいるクラスメイト達を見ると、更に気が重くなる。
「二人三脚なんてすぐ終わるわよ」
「そうなんだけどさぁ。真理子に迷惑かけちゃいそうで……」
背が高く足が長い真理子と背が低く脚の短いあたしがペアを組むこと自体間違っていた。
事前に何度練習しても、必ずあたしが真理子の足を引っ張っていた。