正反対恋愛【完結】
「あ、うん!!」


思考を切り替え、銀のいる方向に視線をやる。


バトンが前の選手から銀に渡った瞬間、周りにいる生徒達の歓声が一層大きなものになった。


「銀セ~ンパイ!!!頑張って~~!!」


「銀くん頑張れ~!!」


その大半は女の子の悲鳴にも似た声援で。


やっぱり銀は人気者だ。


こんな時なのに、ふと冷静にそんなことを考えてしまった。



「銀、頑張れ……」


あたしは両手を胸の前で組み、祈るような気持ちでそう呟いた。

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