正反対恋愛【完結】
「佐奈、篠崎謝ってるけど許してやる?」
そして銀はあたしを見つめ問い掛けた。
本当は許したくない。
階段から突き落とされた事で負った怪我は大したことはなかった。
でも、心が痛かった。
地味で銀と釣り合わない、そう言われて胸が張り裂けてしまいそうだった。
人の言葉は時として、凶器になる。
一度胸に深い傷を付けられると、その傷が完治するまでに気の遠くなりそうな時間がかかる。
レイラちゃんを許さないのは簡単だった。
でも、許さなければあたしは前には進めない。
許すことで前に進めるならば、あたしはいさぎよくレイラちゃんを許そう。