正反対恋愛【完結】
「ハァ……」


教室に戻り席につくとあたしは人目も憚(はばか)らず大きな溜め息をついた。 


『銀に飽きたら俺と遊ぼうぜ?』


一条先輩の声が耳に残って離れない。 


さすが学年一のプレイボーイと噂されるだけある。 


きっと普通の女の子はあの言葉を真に受けて騙されてしまうに違いない。


でもあたしは騙されない。


先輩の口車には死んでも乗ってやらないんだから。 


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