正反対恋愛【完結】

今まで翔太君ばかりを目で追い掛けていたため、銀の存在を知らなかった。


でも銀は翔太君以上に人気があるらしい。


一見チャラチャラしていて、柄の悪そうな銀。


それなのに見た目に反して、屈託なく笑い、気取らない性格で男女問わず学校の人気者だと後から真理子に聞いて初めて知った。


人気者なのも頷ける。


だって、こんなあたしにも温かい手を差し伸べてくれたんだから。



「でも、銀くんだって興味ない女の子助けたりしないでしょ？」


「そんなことないよ。銀は誰にでも……――」


『優しいから』


そう言い掛けた瞬間、


「何の話してんの？」


あたしの顔を思いがけない人物がひょいっと覗き込んだ。