正反対恋愛【完結】
『どうして捨てられちゃったの?ママはいないの?』
小さな段ボール箱の中にゴミ同然に捨てられていた子猫の頭を撫でる。
長い時間箱に入れられていたのか、その小さな体を起こすことはもう困難だった。
『ニャーニャー』
でもその子猫はか細い声でずっと泣き続けた。
助けて。
そう叫んでいるようで。
早くここから出して。
そう泣いているようで。
あたしは思わず子猫を抱きあげ、小さなその体を抱き締めた。