正反対恋愛【完結】
『かわいそう……暖めてあげるね』


冷えた子猫の体を自分の胸で暖めていると、ふいに涙が零れ落ちた。


一人ぼっちで公園に置き去りにされてどんな気分だったんだろう。


抱きしめてあげると子猫は安心したようにゆっくりと目を閉じた。


『なにしてるの?』


『あのね、この子猫……捨てられてたの』


座り込んで子猫を抱きしめていたあたしの隣に腰掛けると、男の子は子猫の頭を遠慮がちに撫でた。

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