正反対恋愛【完結】
「ごめんな。佐奈に辛い想いさせて。俺ホントバカだよな。先輩に嫉妬したりしてさ」


「嫉妬……?」


「あぁ。同じクラスの奴から佐奈が先輩と二人っきりで化学室にいたって話聞いてさ。
俺、佐奈の事になると自分を止められないんだよ。すげぇ情けねぇ」


銀は擦れた声でそう言うと、あたしを抱き締める腕にギュッと力をこめた。


「佐奈イメチェンしてから男達に人気だし。誰かに佐奈を取られそうで毎日怖い」


銀……そんな風に思ってくれてたの?


あたしは逆に、ずっと銀を誰かに取られそうで不安だったんだよ。


銀の周りにはいつも女の子の姿があって。


銀が他の子に目移りしてしまいそうで怖かった。
< 332 / 365 >

この作品をシェア

pagetop