正反対恋愛【完結】
第四章 可愛くなりたい
翌日の土曜日。
あたしはいつもより少し早起きして、10時開店の行きつけ美容院に駆け込んだ。
「今日もカットでいいかな?」
「いえ、今日はカラーもお願いします」
「珍しいね~。さては好きな男でもできたな!」
毎回指名している20代後半の桜さんにからかわれ、あたしは顔を真っ赤にして俯いた。
それは全て図星だったから。
桜さんにはとてもじゃないけど敵わない。
「……佐奈ちゃん……分かりやすっ!」
恥ずかしくなって俯いているあたしの頭をポンポン叩くと、桜さんは親身になってあたしのヘア改造計画に付き合ってくれた。
桜さんのセンスはあたし好みで。
全てをお任せしても大丈夫という絶対的信頼感があって。
桜さんは「あたしに任せなさい!」と自信満々に胸を叩いた。