正反対恋愛【完結】
月曜日の朝、一度大きな深呼吸をした後校門をくぐった。
膝上5センチだったスカートは思い切って10センチにしてみた。
黒くて長かったボサボサの髪の毛は、茶色く染め緩く巻いた。
スッピンで眉毛の手入れすら行き届いていなかった顔は、何度も練習した化粧で別人のように生まれ変わった。
全ては銀の為。
恋をすると女の子はこんなにも変われるんだ。
「……あんな人いたっけ?」
横をすれ違う人々の視線が今日は妙に照れ臭くて。
そんな視線から逃げるようにあたしは一目散に教室に飛び込んだ。