正反対恋愛【完結】
「いや~お前随分変わったな。女って怖ぇ~」


「……そうでもないよ」


化学室にプリントを取りに行く途中、斉藤君はベラベラと楽しそうに話していた。


『空気女』と呼ばれていたことを根に持っていたあたしは、斉藤君の話を右から左に受け流した。



「なぁ、鈴木って好きな奴いんの?」


「……え?」


化学室に入るなり、斉藤君はあたしに詰め寄ってきた。


何で急にそんなこと聞いてくるの?


今まではあたしに何の興味もなさそうだったのに。


「俺さ、前からお前のこといいなぁって思ってたんだよ……」



困惑しながら斎藤君を見ると、斎藤君は満面の笑みであたしの腕を掴んだ。
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